世界に誇れる日本の鉄道② ~輸送人員は世界第何位!?~
日本の鉄道は世界一の年間輸送人員を誇り、総数は約249億人である。これは他国を大きく上回る数だ。例えば、日本のJR東日本単独で61億人を運び、世界一の鉄道事業者となっている。次回は鉄道事業の仕組みについて詳述する予定。
前回に引き続き、“世界に誇れる日本の鉄道”について書いていこうと思います。前回は日本の鉄道のすごさを“遅れ”の観点からお話しました。今回は“輸送人員”の角度からお話したいと思います。
「249億人」
この数字はなんだと思いますか? 世界のそれぞれの会社や行政が“年間旅客輸送人数”を発表しています。一年間にその国で何人のお客さんが鉄道を利用したのか、という数字です。日本の人口が1億2,600万人、日本国民全員が一年に一回乗ったとすると“1億2,600万人×1回=1億2,600万人”というような計算です。例えば、前回に少しお話した世界に誇るTGVを擁するフランスは、世界6位の11億人。フランスの人口が6,700万人なので、一人が一年に16回乗っているということですね。この「249億人」という数字、なんと日本なんです。しかも、2位以下を引き離してぶっちぎりの1位なんです! 一年に197回は鉄道を利用してるってことなんです。2位はインドで65億人、一年にたった5回なんですよ。鉄道好きじゃない方でも、車両の屋根の上に満載のお客さんが乗ってるのをみたことありませんか? たくさんの人が利用しているように思いますが、そうじゃないんですね。あの屋根に乗ってる人たちはお金払っているのか、人数にカウントされてるのか、は微妙なところですけれど…
そして、鉄道会社ごとのランキングでも、日本が独占しています。先ほどのフランスは、昔の日本国有鉄道(いわゆる国鉄ですね)のようなフランス国鉄(略称はSNCF)が全土の鉄道を運営しています。その年間輸送人員は「11億人」。これは東急(東京急行電鉄)とほぼ同じです。それよりも多いのがイギリス国鉄で「12億人」、ドイツ全土の鉄道を運営しているドイツ鉄道が「18億人」、このドイツ鉄道を同じくらいの人を運んでいるのがJR西日本なんです。本州の西側を担当しているだけなので、ドイツ鉄道の7分の1くらいの路線距離しかないのにです。そのほかには、JR九州で「3億人」、JR東海は「5億人」、大阪の地下鉄の大阪メトロは「8億人」、東京メトロと東京都の地下鉄を併せると「34億人」… そして第一位はJR東日本で、なんと「61億人」です! 首都圏の通勤需要はとてつもなく大きなものがありますが、本州の北側半分だけでですよ? 中国全土の輸送人員が「18億人」ですから、いかに日本の鉄道が人々を運んでいるのかがおわかりいただけるかと思います。ちなみに、JR東日本は会社ごとの鉄道の営業収入でも世界第1位! 1兆6,000億円というとてつもない大きな金額、営業路線の距離が何倍もあるフランス国鉄やドイツ鉄道をも上回っています。なじみがあり過ぎてご存じないかもしれませんが、JR東日本は世界最大の営業規模と輸送人員を誇る世界最大の鉄道事業者なのです。一番きっぷを売って、一番人を運んでいる、ということですね。日本の鉄道ってすごいでしょ!
今回はつらつらと数字が並んだ原稿に仕上がってしまいましたが、次回はその“からくり”と“鉄道事業”の角度からお話していきたいと思います。
では、また!