2024年11月21日

世界に誇れる日本の鉄道③ ~“鉄道”は稼げる事業!?~

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投稿は、日本の鉄道の特徴と発展についてのシリーズです。前回は「輸送人員」に焦点を当て、今回は「鉄道事業」の視点で日本独自の鉄道システムとその利便性を説明しています。他国と異なり、日本では複数の鉄道会社が協力し利益を出して運営されています。

round silver and gold coins

Photo by David McBee on Pexels.com

今回も引き続いて、“世界に誇れる日本の鉄道”について書いていこうと思います。前回・前々回は “遅れ”と“輸送人員”の観点から日本の鉄道のすごさをお話しました。今回は残りの“鉄道事業”の角度からお話したいと思っています。

さて、前回は“輸送人員”についてお話しました。世界第2位のインドを大きく引き離して日本はぶっちぎりの世界第1位で、日本人は日常的に鉄道を利用していることが分かって頂けたかと思います。しかし、こんな疑問も浮かんでくるかもしれません。フランスもドイツもインドも、どこの国も全国を網羅している鉄道会社は基本1社だけ。けれども、日本はJRも6社、私鉄にいたっては大手16社もあるから、「それぞれの会社が勝手にカウントしているだけだ!」という声が聞こえてきそうです。例えば、最寄の駅からJRに乗って都心まで行って、地下鉄に乗り換えて会社に行く… これですでに2回カウントされてしまっていますね。いわゆる、“他社線連絡”ってやつですね。だから、正確な数字じゃないんじないかと。仰せの通りなんです。乗車回数でみるとぶっちぎりの世界第1位なんですが、一人が一年に利用する乗車距離の合計は世界第2位、トップではありません。ちなみに、第1位はスイスの2,400キロ、日本は2,000キロ、第3位のフランスは1,400キロと、各国めちゃくちゃ大きな差は開いてないんです。「実はたいしたことないんじゃない?」と…
 この“他社線連絡”というのは、日本独特の発展を遂げたシステムなんです。JRと地下鉄をまたいだり、私鉄と私鉄を乗り継いだり、直通運転している列車もありますね。例えば、東京から広島まで新幹線を乗ったとすると、“東京~新大阪”はJR東海“、新大阪から広島”はJR西日本の2社、池袋から横浜の元町・中華街まで行くなら、“池袋~渋谷”は東京メトロ、“渋谷~横浜”は東急、“横浜~元町・中華街”はみなとみらい線となんと3社、例えを上げ始めるとキリがありませんね。鹿児島から新幹線で岡山に、そこから智頭急行を経由して鳥取、天橋立観光で北近畿タンゴ鉄道を経由して京都から新幹線で東京へ、そして、札幌へは寝台列車カシオペアに乗ってIGRいわて銀河鉄道を… もう数えるのをやめてしまいたいくらいの他社線連絡ですね。さすがにみどりの窓口の職員さんも路線図と端末とにらめっこは間違いありません。「ごめんなさい、職員さん」って気持ちになりますね。
これはどういうことでしょうか? 地方の赤字路線が第三セクターになって生き延びているというところもありますが、大手私鉄16社はどこもちゃんと利益を出して、それぞれが自立し、そして “民間鉄道”が発達したということです。逆に言うと、海外では鉄道は赤字で不採算な事業であり、鉄道が利益をあげているのは日本だけなのです。あくまで海外では“国営・国有”が基本であって、儲ける業種ではないのです。そこでまた、「国鉄は大赤字で解体したじゃないか!」という声も聞こえてきます。昭和62年(1987年)に国鉄が解体された時点での負債額は「37兆円」というとてつもない金額でした。JR東日本・東海・西日本が12兆円、借金返済のために組織された国鉄清算事業団は25兆円を背負わされました。今では、JR3社の負債は半分ほどに、清算事業団は17兆円くらいになりました。国営だとなまけちゃってたのかもしれませんが、これについてはまた改めて語りたいと思います。こうして、利益を出して借金を返済していっています。

思ったよりまだまだ長くなりそうなので、今回はこれくらいに。次回は引き続き“鉄道事業”についてお話したいと思います。想いをつらつらと書いているので、締まりが悪いですが温かく見守ってやってもらえるとうれしいです。

では、また!

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