世界に誇れる日本の新幹線のすごさとよわさ① ~新幹線網の総延長は?~
投稿全体を通して、日本の鉄道、特に新幹線への愛を語っています。2021年時点で新幹線は全長3,000㎞、中国の高速鉄道より短いが、堅実な経営で全線黒字を達成。四国新幹線などの大規模計画もありましたが、現実的な採算性が重視されました。
全4回のお話で、わたしがどれだけ鉄道愛があるかということがおわかり頂けたかと思います。「日本の鉄道はすごいんです!」という気持ちは伝わったかと思うのですが、その代表格として度々祭り上げられている“新幹線”についてのお話です。
2021年現在、日本全土に広がっている新幹線の営業路線はなんと総延長3,000㎞! 「あれ? 意外に短くない?」と思われたかもしれません。中国の高速鉄道の総延長は25,000㎞ですので、それに比べると9分の1ほどの長さですし、そもそも中国の高速鉄道の歴史は20年もありませんが、総延長だけでいうととっくに日本を追い越してしまいました。中国は国策として中国全土に高速鉄道網を張り巡らせるという大号令の下、とりあえず碁盤の目のように高速鉄道網を作り上げてしまいましたから、あれだけ広い国土がありますから当然といえば当然です。しかし、日本が新幹線建設の際に当初から重視してきたのは“採算性”です。1970年代、今の中国のように日本全土に新幹線を張り巡らせる計画がありました。岡山から瀬戸大橋を渡って高知に至る“四国新幹線”や、大阪から日本海側の鳥取や島根を経由する“山陰新幹線”、和歌山から徳島に渡り四国を東西に通ってまた海を渡って大分まで至る路線など、日本中を網羅する計画でした。今思うと無謀とも思いますが。実際に瀬戸大橋は新幹線が走ることが出来るように、線路を敷設する幅は、新幹線と同じ標準軌で建設されています。余談ですが、新幹線:標準軌(1,435㎜)と在来線:狭軌(1,067㎜)で線路の幅が違います。しかしながら、四国の在来線を運営するJR四国は、民営化以来ずっと赤字で厳しい運営が続いていますし、山陰新幹線が走っていたであろう山陰本線は、いまだに単線で特急は2両編成ですし、ちょっと無理があったのかもしれませんね。でも、夢を描くことはいいことです! そして、諦めることも…
話をもとい、日本の新幹線の総延長は短いのでは?というお話でしたね。今は、鹿児島から九州を横断して博多まで至る“九州新幹線”、博多から新大阪への“山陽新幹線”、初代新幹線0系が走った東京への“東海道新幹線”、そして、東京から東日本を縦断して北海道へ至る“東北新幹線”と“北海道新幹線”と、日本列島を背骨のように貫いています。そこから、日本海側へ延びる“上越新幹線”“長野・北陸新幹線”もありますね。実は日本をざっくりと網羅しているのです。しかも、全線に渡って黒字です。中国の高速鉄道は、北京~上海間くらいしか黒字化できていないという状況ですから、日本の新幹線の堅実経営がよくおわかり頂けるかと思います。
まだまだ長くなりそうなので、今回はことあたりで。その新幹線にも弱さというか貧弱な点もいくつかあります。でも、次回ももう少し新幹線のすごさを語らせてください。
では、また!