JRダイヤ改正(2021年)② ~ドル箱路線の終電繰り上げ~

前回に引き続き、2021年(令和3年)3月13日に行われたJRダイヤ改正について思うところをお話したいと思います。前回は東北・北海道・上越・北陸新幹線の1分短縮の明るいお話をしました。もう一つの今回の大きなニュースは、首都圏と京阪神で行われた終電の繰り上げでしょうか。

JR東日本とJR西日本のドル箱エリアである“首都圏”と“京阪神”では、早朝から深夜まで列車が走りまくっています。朝4時台から日付を跨いだ深夜1時台まで運転されています。終電が0時を回るのが当たり前、終点には1時台に到着するのも当たり前です。そりゃ、JR東日本でいうと首都圏以外の在来線はすべて赤字路線、JR西日本も同様に京阪神以外の在来線はすべて赤字、ドル箱で稼いでその他の路線の赤字を埋めるという構造ですから、サービス向上には余念がありません。

話を戻しましょう。特に終電時刻の繰り上げが大きい主な路線を羅列すると、

【首都圏(JR東日本)】

京浜東北線 東京発 大宮行き 0:00 (30分繰り上げ)

中央線快速 新宿発 高尾行き 0:00 (30分繰り上げ)

【京阪神(JR西日本)】

JR京都線 大阪発 京都行き  0:00 (25分繰り上げ)

JR神戸線 大阪発 西明石行き 0:04 (24分繰り上げ)

など、ほぼすべての路線で繰り上げが行われました。それでも、日を跨いで運転しているのことにはかわりありませんが… 実はこれ、JR各社は前々から終電を繰り上げたいと言っていたんです。1987年(昭和62年)の国鉄民営化後、JR各社は余剰職員の圧縮のため、新卒の採用を凍結していました。JR西日本では約15年も凍結しています。これは現在のJR各社の職員の構成にもはっきりと表れており、ベテラン世代と若手世代の間に、ぽこっと人がいない世代の谷のようなものが存在しています。これが技術の継承不足や慢性的な人員不足の原因とされており、終電から始発までの間に保守・点検作業をする充分な作業員を確保できずに、現場は非常に厳しい状況だと言われています。

しかし、昨年からのコロナ禍により鉄道の利用客が激減、2020年度(令和2年度)はJR東日本で▲47%、JR西日本で▲52%減りました。お客さんがほぼ半減ですね。これによって、保守・点検作業の効率化と終電繰り上げで経費を抑える、とはっきりと言えるある意味いいタイミングではなかったのではないでしょうか。実際に年間数十億円の経費節減になるようです。

2021年のダイヤ改正では、JR東日本とJR西日本だけでなく、JR各社で運転本数や運転区間、運転日や繰り上げ・繰り下げなどの“見直し”が行われました。当面コロナ禍以前の状況へは戻ることはなさそうです。これからどのように方向転換していくことになるのでしょうか。またそのあたりもお話できたらと思います。ちょっと暗い気持ちになりましたが、コロナに負けず…

では、また!

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